饿了么(ウーラマ/Ele.me):中国を代表する食配サービス・アプリ

この記事では、饿了么の沿革や主なサービスについて解説します。
饿了么(ウーラマ)の創業者、张旭豪(ジャン・シューハオ)の歴史
饿了么を創業したのは、张旭豪(ジャン・シューハオ)です。
张旭豪は、1985年、上海市(しゃんはいし)に生まれました。
サービス名の「饿了么」とは「お腹空いている?」という意味です。
2008年のある日、上海交通大学機会動力エンジニア学院修士課程に通う张旭豪は、ルームメイトたちと『バトル・オブ・シリコンバレー』(スティーブ・ジョブズとビルゲイツの反省を描いたテレビドラマ)を見ていました。
ドラマに影響を受けた张旭豪たちは、「ビジネスを始めたい」と思い議論を始めました。
議論が続き、深夜になり、お腹が空いて出前を取ろうとしたところ、出前はやっていませんでした。
これがきっかけになり、深夜の配達にも対応する出前サービスというアイデアにたどりつきます。
饿了么(ウーラマ)の沿革
饿了么の創業
2008年、张旭豪は仲間たちと「上海拉扎斯信息科技有限公司」を設立しました。
まず、彼らは大学周辺の飲食店をリストアップし、それぞれのメニューを集めました。それを大学の寮に住んでいる学生たちの部屋に配布しました。
学生たちから注文を受けると、次に飲食店に電話をして注文を伝えます。そして、出前が届くと自分たちで学生のところに運んでいきました。このときの8%のマージンが収益になります。
出前サービスの競合
中国には、出前サービスが多くあります。
- 饿了么
- 小叶子当家
- 美团外卖
- 百度外卖
小叶子当家は、饿了么より1年早い2007年に設立されましたが、饿了么との競争の結果、倒産しました。
BATの戦い
出前サイトが蓄積しているビッグデータの存在が大きいこともあり、各サービスはベンチャーキャピタルが資金を投入しています(ソフトバンクも出資しています)。
また、中国の巨大企業「BAT」の資本関係が見えるのも特徴です。
- 饿了么:Alibabaが出資
- 美团外卖:Tencent傘下
- 百度外卖:Baiduのサービス
2017年、「饿了么」が「百度外卖」を買収しました。
2018年、阿里巴巴集団の完全子会社となります。
これにより、出前サービスはAlibaba(饿了么)とTencent(美团外卖)が争う形になっています。
饿了么(ウーラマ)の主なサービス
饿了么(ウーラマ)
饿了么(ウーラマ)の関連書籍
沈 才彬『中国新興企業の正体』
饿了么(ウーラマ)の基本情報
会社名 | 上海拉扎斯信息科技有限公司 |
英文名 | ELEME Inc. |
市場 | 非上場 |
本社所在地 | 中国上海市 |
設立 | 2008年 |
代表者名 | 张旭豪(ジャン・シューハオ) |
ウェブサイト | ele.me/ |