Flashes for EURUSDを徹底検証、ロビンスカップジャパンFX2017で準優勝したEAの実力は?

「きちんと利益が出るEAが欲しいけど、どのくらい実績があるか分からない…」
これはFXトレーダーなら誰もが共通して持っている悩みですよね。「バックテスト結果が良くてもフォワードテストが振るわないEA」は掃いて捨てるほどあります。
今回の「Flashes」シリーズは、あの「ロビンスカップジャパンFX2017」で準優勝したTraderK(Kaibe) さんが実際に使っているEAということで話題になっています。
「Flashes for EURUSD」はどのように使うのがもっとも効果的なのか。
ここでは、TraderK(Kaibe) さんの「Flashes for EURUSD」について徹底検証します。
TraderK(Kaibe) さんの「Flashes」シリーズは、リアルマネーによるトレードコンテスト「ロビンスカップ・ジャパンFX2017」で準優勝した実力派EAです。
SOMEYA
目次
Flashes for EURUSDの特徴
通貨ペア | EUR/USD |
取引スタイル | スキャルピング、デイトレード |
最大ポジション数 | 1 |
使用時間足 | 1分足 |
ストップロス(SL) | 110 |
テイクプロフィット(TP) | 60 |
両建て | なし |
シンプルなロジック
「Flashes for EURUSD」は、MT4に標準搭載されているインジケーターのみを使ったシンプルなロジックで作られています(トレードロジックは非公開です)。
カーブフィッティング(過剰な最適化)をしていないため、将来にわたって再現性が高いEAと言えるでしょう。
10年以上右肩上がりの収益
「Flashes for EURUSD」は、スキャルピングタイプのEAなので、1日2〜3回と比較的多くトレードしますが、勝率は7割以上、収益は10年以上の長期間で右肩上がりの曲線を描いています。
バックテストの結果については、後述します。
押し目買い、戻り売りを徹底的に狙う
FX相場は7割が「レンジ相場」、3割が「トレンド相場」です。
「Flashes for EURUSD」は、このうち8〜9割が得意な相場と言われています。具体的には、レンジ相場と緩やかなトレンド相場が得意とします。
1分足を使っているため、相場に動きがない日でもエントリーしやすいのがうれしいところです。
「Flashes for EURUSD」は、TraderK(Kaibe) さんが実際に使っているすでに「実績があるEA」なので、非常に信頼性が高いEAと言えるでしょう。
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そもそも「ロビンスカップ」ってなに?
「ロビンスカップ」とは、世界各国のトレーダーたちが参加し、リアルマネーで競いあうトレードコンテストです。
世界では30年以上歴史があるトレードコンテストで、日本ではこれまでに3回(先物取引)、1回(FX)が開催されました。TraderK(Kaibe)さんが準優勝したのが、FXのロビンスカップです。
ロビンスカップと言ったら忘れてはならないのが、システムトレードの神様と言われる「ラリー・ウィリアムズ」ですよね。
彼は1987年のロビンスカップで1万ドルの口座を100倍(年利1万%)の111万4607ドルに増やしました。この記録は、現在まで破られていません。
その後、1997年に、娘のミシェル・ウィリアムズ(ハリウッド女優です)が、10倍に増やしたことでも知られています(親子そろってとんでもない怪物です)。
ラリー・ウィリアムズは僕の大好きなトレーダーのひとりです。
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「Flashes」シリーズのおさらい
ここで、TraderK(Kaibe) さんの「Flashes」シリーズを振り返ってみましょう。整理すると、どのようなものかが見えやすくなってきます。
- Flashes for USDJPY(2017年9月26日)
- Flashes for EURUSD(2017年10月10日)
- Flashes for GBPJPY(2017年11月27日)
- Flashes -rebuild-(2018年6月17日)
基本的なロジックはすべて共通したものになります。
2017年9月〜11月にかけて、USD/JPY(ドル/円)、EUR/USD(ユーロ/ドル)、GBP/JPY(ポンド/円)の3EAを連続してリリースしました。
このうち、「Flashes for USDJPY」と「Flashes for EURUSD」は現在も好成績なのですが、ポンド円を使った「Flashes for GBPJPY」は失速してしまったようです…。
そして、2018年に「Flashes」をユーロ円に対応させて進化させた「Flashes -rebuild-」がリリースされました(”rebuild”とは再構築を意味する英単語です)。
「ドル」「ユーロ」「円」のどれが主役になった相場にも対応できるように、3通貨ペアのEAを同時に走らせると、ポートフォリオがより効きやすくなるでしょう。
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Flashes for EURUSDのパラメータ設定
「Flashes for EURUSD」のパラメータ設定について解説します。
- EA_Name:トレード履歴に残るEAコメントの設定です。
- MagicNumber:マジックナンバーの設定です。
- Lots:ロット設定です。(1ロット=10万通貨)
- TakeProfit:指値です。(初期設定は60pips)
- TrailingStop:トレール注文です。「0」で使用しない設定になります。
- Slippage:スリッページの設定です。(初期設定は3pips)
- MaxSpread:スプレッドフィルター。(初期設定値は15point/1.5pips)
- Sensitive:相場感度。(初期設定は420です)
- MaximumRisk:複利設定です。使用しない場合は0にします。
- Account_Balance:複利設定での計算方法。
- MaxLot:お使いの証券会社の最大注文数量。
- MinLot:お使いの証券会社の最小注文数量。
- WeekendExitHour:金曜日の夜に決済する「時間」です。
- WeekendExitMinute:金曜日の夜に決済する「分」です。
- JPTime:サーバー時間が日本時間かどうかの設定です。「true」で日本時間。
- EntryStopTime:金曜日の夜の決済時間から何分前に新規エントリーを停止するかの設定です。
- NoEntryStart1~7:エントリーを停止する時間帯の始まり時間です。
- NoEntryStop1~7:エントリーを停止する時間帯の終わり時間です。
以下、補足事項が必要な項目について説明します。
相場感度について
「Sensitive」では、相場感度を設定します。値を大きくすると感度が増し、トレード回数が増えます。
特に初級者のうちは「トレード回数が多い=利益になる」と考えてしまいがちですが、トレード回数が多いというのは「コストがかかる」ことにも直結するので、初期値(420)をおすすめします。
TraderK(Kaibe)さんからは、380〜460が推奨されています。
複利設定について
「Flashes for EURUSD」は複利設定が可能です。
MaximumRisk
まずは、「MaximumRisk」で複利設定をします。
余剰証拠金額×MaximumRisk値÷1,000,000で計算されます。
たとえば、MaximumRiskを「1.0」に設定すると、100万円の余剰証拠金額の場合、
100万円×1.0÷1,000,000=1.0
1.0lotトレードします。
複利を使わない場合は「0」にします。個人的には、複利でEAを使うなら、リスクを分散させるためにEAの数を増やすことをオススメします。
Account_Balance
複利を設定しているときの計算方法を設定します。
- true:残高
- false:余剰証拠金
口座の「含み益」「含み損」「ポジション数」の程度によって異なりますが、含み損やポジション数が多いときは、残高で計算していると、よりリスクが高くなります(ハイリスク・ハイリターン)。
ここもできれば「false」にしておきましょう(そもそも複利自体をオススメしません)。
MaxLot, MinLot
複利を使ったときの「最大ロット」と「最小ロット」を設定します。
「最大ロット」と「最小ロット」は、証券会社の「取引条件」を見ると記載されています。
複利を使わないときは特に関係ありませんが「複利モードでなくても設定頂く事を推奨します」とのことなので、心配な方は入力しておきましょう。
週末決済について
「Flashes for EURUSD」は週末決済機能が付いています。週末決済とは、週明けに大きく窓を開けて、相場が不利な方向に動かないように、週末のうちに決済する機能です。
WeekendExitHour
「WeekendExitHour」で金曜日の夜に決済する「時間」をサーバータイムで入力します。
例:「23」と入力
23時に決済されます。
WeekendExitMinute
「WeekendExitMinute」で金曜日の夜に決済する「分」をサーバータイムで入力します。
例:「0」と入力
0分に決済されます。
EntryStopTime
金曜日の夜に決済する時間(上記で決めた時間)から、何分前に新規エントリーを停止するかを設定します。初期設定は「90」で90分前になります。
初期設定では、「金曜日の23時」に決済されて、90分前の「21時30分」に新規エントリーが停止されます。
サーバー時間について
サーバー時間(MT4の時間)が日本時間の場合は、「true」にします。
サーバー時間が海外の時間帯の場合は「false」にします。
「Flashes for EURUSD」はすべて「サーバー時間」で設定するため、ここを設定する理由がいまのところわからないのですが、なにかしらの処理に必要なのだと思います…。
エントリーを停止する時間について
エントリーを停止する時間を「7つ」、それぞれ「NoEntryStart」(開始時間)と「NoEntryStop」(終了時間)で設定できます。
デフォルトでは、1つは、ロールオーバー処理(早朝、FX業者の注文ができない帯)対策により「00:00」〜「00:30」になっています。
この設定の場合、GMT+2(夏時間は+3)のMT4を使っているとき、7時00分〜7時30分(夏時間は6時00分〜6時30分)がエントリーを停止する形になります。
あとの6つは、未設定(「00:00〜00:00」)になっています。
また、サーバー時間が「0時」をまたぐときは、別々に設定します。
たとえば、「23時〜1時」に取引を停止する場合は、ひとつを「23:00〜24:00」、もうひとつを「00:00〜01:00」に設定するといった具合です。
MT4に採用されているタイムゾーンで多いのは、日足が5本で使いやすい「GMT+2」、続いて日本時間にあたる「GMT+9」です。
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Flashes for EURUSDのバックテスト
通貨ペア | EUR/USD |
期間 | 2005.01.10 – 2017.10.14 |
初期証拠金 | 1,000,000円 |
スプレッド | 6 |
純益 | 13,202,509 |
プロフィットファクタ(PF) | 1.27 |
ペイオフレシオ(PR) | 0.55 |
最大ドローダウン | 1,141,163.67(11.04%) |
相対ドローダウン | 20.41% |
勝率 | 69.56% |
最大勝トレード | 67,755.40 |
最大敗トレード | -124,181.20 |
平均勝トレード | 13,591.68 |
平均敗トレード | -24,387.00 |
最大連勝 | 20 |
最大連敗 | 7 |
平均連勝 | 3 |
平均連敗 | 1 |
バックテスト精度
バックテストは、公式のものを採用しています。
「不整合チャートエラー」は「0」。「2005年〜2017年」のデータ、「全ティック」でバックテストしているため、特に問題ないといって良いでしょう。
スプレッドは「6」(=0.6pips)のため、再現性を高めるには、できるだけタイトなMT4業者を使う必要があります。これは「Flashes for EURUSD」がスキャルピングタイプのEAだからです。
純益
純益は12年間で「13,202,509円」でした。
12年間で1300万円の利益(証拠金100万円)と考えると、単純な年利は約100%になります…。さすが、ロビンスカップジャパンFX2017で準優勝しただけありますね(恐るべし)。
プロフィットファクタ(PF)
プロフィットファクタ(総利益が総損失の何倍かを表す指標)は1.27倍でした。1倍前半というのは至極現実的な数値です。
1.00倍を超えていれば、理論上は取引を続けるごとに利益が増えていくことになるので、長期的に運用できるEAと言えるでしょう。
ペイオフレシオ(PR)
ペイオフレシオ(損益率。勝ち平均が負け平均の何倍かを表す指標)は、0.55でした。
1.00を切っているということは、1回あたりの勝ち平均が1回あたりの負け平均より少ないということです。ただし、「Flashes for EURUSD」の場合は、それを勝率で補っていることになります。
勝率が69.56%の場合、損益率は0.43以上あれば、取引手法として成り立ちます。これを考慮すると、「Flashes for EURUSD」は、十分手法として成り立つと言えるでしょう。
損益がトントンになるPR=負ける確率÷勝つ確率
ドローダウン
相対ドローダウンは、最大で20.41%でした。20%を超えると「メンタルがキツい…」と言われるので、ギリギリといったところです。
もし、ドローダウンが心配な方は、取引ロットを下げることで、リスクを減らすことが可能です(同時にリターンも減ります)。
トレードの傾向
「Flashes for EURUSD」は、勝率が約70%ということで比較的勝率が高い部類に分類されるEAになります(平均連敗数は「1」)。
そのため、「負ける」ことに怯えながらトレードする心配もないでしょう。特に意識することなく、EAを回していれば、気がついたら証拠金が増えているというタイプのEAと言えます。
EAを運用するときに大切なのは、目の前の1回、2回の負けで決めるのではなく、長期に運用して相場が変わったときに撤退することです。
EAを撤退させるラインについては、「最大ドローダウンを更新したとき」など、あらかじめルールを決めておくと良いでしょう。
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Flashes for EURUSDのフォワードテスト
「Flashes for EURUSD」のフォワードテストの実績です。
最新の「収益」「収益率(全期間)」「勝率」などの情報は、「Flashes for EURUSD」の商品ページに掲載されています。
Flashes for EURUSDの口コミ・評判
GogoJungleに投稿された「Flashes for EURUSD」の口コミ・評判を見てみましょう。
2017年12月から運用しています。2018年5月現在+283pips稼いでくれています。 フォワードの遷移グラフと同じようにきれいな右肩あがりで収益を積み上げてくれます。 USDJPY版よりも取引回数が多く収益性も高いので、実はこちらがおすすめ!?
ユーザー
作者様のトレーダーとしての実績が素晴らしく期待を込めて購入。 EAの評価は数年運用しなければ付けられないと思いますので★3とさせていただきます^^
ユーザー
ドル円版とポートフォリオしていますが、よい感じです。
ユーザー
>>「Flashes for EURUSD」のレビューをもっと見る
まとめ
TraderK(Kaibe) さんの「Flashes for EURUSD」を徹底検証しました。
リアルマネーをかけた「ロビンスカップジャパンFX2017」で準優勝している手法というだけあり、実力派であることは違いありません。
「Flashes」シリーズは非常に優秀なEAなので、「EUR/USD」「USD/JPY」「EUR/JPY」の3EAを組み合わせて利用すると、より高いポートフォリオ効果が上げられるでしょう。