小米(シャオミ/Xiaomi):中国のスティーブ・ジョブズ、雷军が率いる家電メーカー

この記事では、小米の沿革や主なサービスについて解説します。
小米(シャオミ)の創業者、雷军(レイ・ジュン)の歴史
小米を創業したのは、雷军(レイ・ジュン、Lei Jun)です。
雷军は、1969年、湖北省仙桃市(こほくしょう・せんとうし)に生まれました。
幼いころから聡明だった雷军は、大学入試の際、友人たちと同じ世界に進みたいと考え、武漢大学のコンピュータ部に入りました。これが雷军とプログラミングとの出会いになります。
大学時代から友人とソフトウェアを開発するなどプログラマとして第一歩を踏み出した雷军は、大学卒業後、科学研究センターに就職します。
しかし、プログラマ・ドリームを叶えるために1年で退職します。
その後、金山(きんざん、Kingsoft)(中国の大手ソフトウェア企業)に入り、開発部の責任者になりました。
金山で立派なマネージャーとなった雷军ですが、2007年、経営者としての道に進むために金山を離れることを決意します(当時、金山は香港証券取引所に上場しています)。
金山を退社後、雷军は人々の前から姿を消し、エンジェル投資家として活動をしていました。
そして、6人の仲間と一緒に小米(シャオミ)を設立することになります。
小米(シャオミ)の沿革
小米の創業
2010年4月、雷军は北京小米科技有限责任公司(シャオミ)を設立しました。
ロゴは「MI」でモバイルインターネットの略。
2010年8月、「MIUI」ベータ版(ファームウェア)を発表しました。
2011年8月、スマートフォン「小米手机」を発表。
以降、1年間に1機種を発売する方法でシェアを伸ばし、世界4位のシェアを獲得するまで成長しました(Samsung, Huawei, Apple, Xiaomiの順)。
2018年7月、香港証券取引所に上場。
ユーザーと一緒に製品を育てていく
小米には2つの理念があります。
- ユーザーと共に優れた製品をつくり上げていくこと
- 宣伝やプロモーションはユーザーの口コミに頼ること
小米はユーザーを巻き込むことで、ユーザーと一緒に製品を育てていきます。
中国のジョブズ
雷军は、「雷布斯」(レイブズ)と呼ばれることがあります。
これはアップルの創業者「スティーブ・ジョブズ」の中国語読み「乔布斯」(チアオブス)と雷军の名前をかけ合わせた造語で、彼を「中国のジョブズ」と讃えるものです。
雷军は大学生のとき、一冊の本『パソコン革命の英雄たち(原題:Fire in the valley)』に衝撃を受け、そこに登場するジョブズに憧れました。雷军は後に「当時18歳だった私は、ジョブズのように世界一流の会社を作りたいと思った」とメディア取材に発言しています。
小米(シャオミ)の主な製品
- Mi Phones(小米手機):フラッグシップモデル
- Redmi Phones(紅米手機):コストパフォーマンスモデル
- Mi TV(小米電視):スマートテレビ
- Smart Devices:スマートバンドやイヤホンなど
小米のスマートフォンは、フラッグシップモデルの「Mi Phones」とコストパフォーマンスモデルの「Redmi Phones」の大きく2種類に分けられます。
その他、スマートテレビやスマートバンド(ウェアラブルウォッチ)などがあります。
小米(シャオミ)の関連書籍
陳 潤『中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男』
洪 華、董 軍『シャオミのすべて: 世界最強のIoTプラットフォームはこうして生まれた』
陳 潤『シャオミ 世界最速1兆円IT企業の戦略』
黎 万強『シャオミ 爆買いを生む戦略』
劉 潤『事例でわかる 新・小売革命 中国発ニューリテールとは?』
小米(シャオミ)の基本情報
会社名 | 北京小米科技有限责任公司 |
英文名 | Beijing millet Technology Co., Ltd. |
市場 | 香港証券取引所(SEHK): 1810 |
本社所在地 | 中国北京市 |
設立 | 2010年4月6日 |
代表者名 | 雷军(レイ・ジュン) |
ウェブサイト | https://www.mi.com |